沖縄、北谷町に来ています。
奥さんが見つけた場所で宿泊中です。
なかなかいい空間で驚きの場所です。

奥さんといろいろな会話をしてきて出てきたキーワードが感慨深かったんです。
「今の自分自身に不満を感じて、このままではダメだって勝手に思い込んでて、自分を変えたいと思っている人って多いんじゃない?」
確かに!!!!
最近、すごく多いような気がします。
果たして、自分自身を変えることはできるのでしょうか?
ふたりで話し合ってみたところ、いろいろな見解や、思ったことが出てきたのでまとめてみたいと思います。
人は簡単には変わらない

人の性格・人格・人間性・思考パターン・行動様式等々、その人を規定する特性というものはたくさんありますが、これらは簡単に大きく変えることはできません。
なぜなら、これらは生まれてからこれまでの、体験によって形成されたものだからです。
体験によって形成されるのですから、もちろん1年前と今を比較すれば、1年間の体験がある分、違いがあります。
1年間の体験がある分、変わったと言えますが、1年前以前の体験の蓄積、それを土台としたものの上に、1年分の体験を積み重ねても、人の性格・人格・人間性・思考パターン・行動様式等々、その人を規定する特性に目に見えるような大きな変化が見られることは稀です。
例えば、子どもの頃からたくさん褒められて育った人は、積極性を持っています。
一方で、否定されたり、怒られたりすることが多い環境で育った場合は、消極的な人になりがちです。この消極的な人が、この1年間に、たくさん褒められる体験をしたとします。
そうすれば、1年間の褒められた体験の蓄積があるわけですから、それ以前に比べると、多少は積極的な面も出てくると思います。ただし、それまでに形成され、固着している消極性も持ち合わせていますので、もともと積極的な人に比べたら、消極的な人であることに変わりはないのです。消極的な人だけど、積極的な面も多少でてきた程度の変化しか見られないでしょう。
人が、急に劇的に大きく変わるということはないのです。
人は多面性をもつ
人は、多面性をもつ生き物です。
よく「人によって言動が異なる」などと言って、他者を非難することがあります。
しかし、人と人との関係性が異なるのですから、「人によって言動が異なる」のは当たり前のことなのです。
単純に考えて、自分が好意を持っている人、仲が良いと認識している人に対する言動と、自分が嫌いな人、仲が悪いと認識している人に対する言動が異ならない人なんているでしょうか?
いないと思います。
自分と他者との関係性により、多かれ少なかれ、言動が異なっていて当然なのです。
つまり、誰でも、人によって自分の見せる側面が異なっているのです。
他者に合わせて、自分を使い分けているといったほうがわかりやすいかもしれません。
では、この使い分けている自分に、本当の自分や偽りの自分というものがあるでしょうか?
ありません。どれも本当の自分なのです。
仮に嫌いな人の前で、演技をしているという人がいたとします。
これを偽りの自分といえるでしょうか?
仮に演技をしていたとしても、その演技をすることを決めたのは自分ですし、どのように演じるかを決めたのも自分です。
その演技自体も自分の中から出てきたものですから、それが偽りの自分とは言えないでしょう。
演技をする自分という、自分の一側面をだしているだけなので、演技をする自分もある意味では本当の自分なのです。
自分を劇的に変える唯一の方法は環境を変えること
自分を劇的に変える唯一の方法は、環境を変えることです。
環境と言いましたが、自分を取り巻く人間関係を中心とした環境を変えることが、自分を劇的に変える唯一の方法です。
自分を変えたいということは、今の自分に不満を持っている状態なのだと思います。
しかし、人は簡単には変わらないということを先に述べました。
では、自分を規定するものは何でしょうか?
それは自分自身であり、他者でもあります。
自分に不満を持つのは、自分が理想とする自分ではないからです。
自分が理想とする自分になれたと実感できるのはどんな時でしょうか?
他者から、そう認められた時なのです。
自分が理想的な自分に変われたと思っていても、他者が違うと言えば、実感を持って理想的な自分に変われたとは思えません。
他者の評価が伴って、初めて自他ともに認める、理想的な自分に変われるのです。
今の自分に不満を持っているということは、今の人間関係の中では、自分が不満に感じる自分の側面しか出せていないということです。
それは、その人間関係が、理想とする自分を出せない関係性であったり、自分の理想とは異なるレッテルを貼られ、それに基づく役割を演じてしまっているからです。
理想とする自分を出せる関係性、理想とする自分に近いレッテルを貼ってくれるような、人間関係に身を置くことで、それまでと異なる自分の側面をだすことができます。
そして、それを認めてもらえることで、理想とする自分を出し続けることができ、やがて定着し、自分が変わったと認識できるのです。
もちろん、そのような人間関係を築ける環境を見つけることは容易ではありません。
新たな人間関係に身を置いたとしても、自分の望む環境とは限りません。
しかし、今の人間関係の中にいても、自分を変えることはできません。
自分を変えたいのなら、リスクを背負って、新たな人間関係に身を投じるしかないのです。
※よろしければ、「関係性は個々人の主観により規定されるものなのだから、相手が勝手にそう思っているだけ」「人は相互にレッテルを貼りあい、貼られたレッテルに基づく役割を演じあいながら生きている」「自分がわからない人は自分を形容する言葉がわからない、人間そんなに単純にできていない」もご参照ください。
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