映画『レミニセンス』は、過去を振り返るという行為が持つ力について深く考えさせる物語だった

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朝から、市役所に行って手続きをして、その後、喫茶店に移動してZoom会議、次の打ち合わせまでに時間があるな・・・ということで、、、

そこで、今話題になっている映画『レミニセンス』を見に行って来ました

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映画『レミニセンス』は、ヒュー・ジャックマン演じる主人公「ニコラス・“ニック”・バニスター」が記憶を追体験しながら失踪した恋人を探すSFスリラーです。予告編を見ると、おおおお!っと気持ちが惹きつけられます。

今回の作品は、あの有名な『インセプション』などで知られるクリストファー・ノーランの弟で、『ダークナイト』などの脚本を共同執筆したジョナサン・ノーランが共同製作しています。

ジョナサン・ノーランの妻であり、彼とともにドラマ『ウエストワールド』を送り出したリサ・ジョイが製作、監督、脚本を務め、長編映画監督デビューを果たしました。

このため映画『レミニセンス』にはノーラン兄弟の作品に共通する独特の雰囲気を感じれました

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ノーラン兄弟の携わる作品に出てくる発明品って、従来の考え方だと絶対に結びつかなくなってしまうくらいに空間的にも時間的にも隔たたったとしても、『まだ繋がれるよね』っていうのを映画の後半にやってのけるのがすごいんです。

これは、伏線回収というんでしょうかね?

なんという壮大な物語の構築方法なんだろう…って、毎回毎回、度肝を抜かれてしまいます。

今回の作品でもあるシーンがすごく『ノーラン作品っぽさ」がいろいろな場面にあって、エモーショナルに結びついているのです。

あとプロダクションノートを読んでいて、リサ・ジョイ監督のこの作品を書くきっかけが『人は色々な物事の良し悪しを決める際に終わり方ばかりを見る。人間関係なんて終わり方だけを見ると、ハッピーエンドなんて存在しない。最終的にはどちらかが死ぬか、別れるか』ということがきっかけだったと書かれていて、とても面白かったです。

でも、それはどこを切り取るかでハッピーエンドにも変わり得るのです。

たとえば、考え方によれば、それは『記憶』という側面の話でもあるし、映画の作り手としても思う所があって、そうしたコンセプトの段階で、物語を紡ぎ出す腕力がすごいんですよね。

『こうゆうコンセプトで面白いものが出来るかも?』というものを志高く作っていく姿勢は、めちゃくちゃクリエイティブをやる人間として刺激になりました

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ノーラン兄弟の映画って本当に難しいんですよね。毎回、ついていくので精一杯です。ほんとに。理解するのに、めちゃくちゃ時間がかかります。

実際に『TENET テネット』は途中で考えて、納得するまでの時間が全くなかったですから(笑)

ちなみに、4回見ました。

ボクは元々、検証して仮説を立てて、どう実行するかを考えるのが好きで、多次元とか、スピリチュアルっていうのは科学的にあり得ると思っているし、SFの側面として面白いし、今でも、自分の人生の中でチャレンジというか、検証している分野なんです。

でも、毎回、毎回どうにもこうにも頭の中でストーリーにならないんです。

けど、そこをちゃんとキャラクターを動かしながら、ストーリーにして、最後エモーショナルに仕上げる手法というか、思考がとても鮮やかだなって思いながら開いた口が塞がらない状態で毎回観ています。

SFっていうものって、昔は遠い世界の話をするのが定義だったって思っていたんですけど、今は現実が追いつき始めていて、SFってもう未来の話じゃないんだなというのをこの映画を観て感じました。

どのキャラクターも多層構造を持っているんです

表層の顔から奥深くの、話が進むにつれて『この人実はこうだったのか!』ってどんどんどんどん暴かれていく様子が興味深かったです。

YouTubeの概要欄に書いてある文章を引用してみました。

■ストーリー

記憶には誰も知らない、深層世界があった。

その世界に潜入(レミニセンス)し、記憶を抜き取って、真実を暴けるのかー。

ルール1:潜入できる記憶は、対象者が五感で体験した世界すべて。

ルール2:同じ記憶に何度も入ると、対象者は記憶に呑み込まれ、現実に戻れなくなる。

ルール3:記憶から、事実と異なるものを植え付けると、対象者は脳に異常をきたす。

都市が海に沈み、水に支配された世界で、〈記憶潜入エージェント〉として暗躍するニックに、検察から仕事が舞い込む。新興勢力のギャング組織の男が瀕死の姿で発見された。彼の記憶に潜入し、ギャングの正体と目的を掴めという依頼だ。彼の記憶から映し出された、事件のカギを握る謎の女性メイを追って、多くの人々を記憶潜入(レミニセンス)するニック。だが、膨大な記憶と映像に翻弄されたニックは、予測もしなかった陰謀へと巻き込まれていく──。

https://youtu.be/cyl5T-8Y0KU

今回の『レミニセンス』はSF映画というより、愛するメイを探すスパイ映画や、ラブストーリーの要素が強いし、事前情報や宣伝とは違うので好みは分かれると思うんですよね。人間関係が複雑なミステリーとしても楽しめます。

無駄の少ない脚本には脱帽です。

人間関係が、やや複雑すぎて謎を解くために理解するには、少し時間がかかるかもしれません

クリストファー・ノーラン作品『メメント』や『インターステラー』が好きな人は、もちろんなんですが、映画『グレイテスト・ショーマン』を見た人も、面白いと思います。

あの『グレイテスト・ショーマン』で『P・T・バーナム』役を演じたヒュー・ジャックマンと、『ジェニー・リンド』レベッカ・ファーガソンのふたりが出ています。

このシーンは、覚えていますか?

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『グレイテスト・ショーマン』
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『レミニセンス』

記憶を覗いてレベッカ・ファーガソンが歌うシーンを見たことで魅了されるヒュー・ジャックマンは、どこか『グレイテスト・ショーマン』のワンシーンのようでもありました。

ストーリーも、頭の中で『グレイテスト・ショーマン』を思い出させるようでした。

伝わりましたでしょうか?

水没した近未来の描写や記憶潜入という設定、複雑な人間関係がつながっていく展開、張り巡らされた伏線など、よく練られたストーリーや登場キャラの魅力は、さすがジョナサン・ノーランが関わってるだけあり見事です。

一方、事前情報や宣伝内容とは全く違う展開で、重厚なSFを期待してたのにミステリ調ラブストーリーだったので少し拍子抜けしました。

記憶潜入(レミニセンス)も、主に行方不明の恋人を探すために使われるので、おどろきはなかったです。

それでも、見せ方がうまいので少しずつ真相に迫るストーリーや無駄の少ない展開や伏線回収などは楽しめました。

ぜひ一度、ご覧になられてはいかがでしょうか?

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